子どものころの趣味は「新聞づくり」でした。
チラシの裏に、日々のできごとや本で仕入れたネタ、自作の俳句や4コママンガなんかをまとめて、手描きの「新聞」をつくっていたのです。修学旅行も、家族旅行も、花火大会も、ぜんぶ記事にしていました。
おもしろいネタを見つけると「これ知ってる?」と誰かに伝えたがる子どもでした。ただ話すのは得意ではなかったので、紙に書いて伝えることに夢中になりました。新聞をつくったら、親に見せたり、正月やお盆に親戚じゅうに配ってまわっていました。
あれから30年以上が経ち、いま僕は経営者の「顧問」としての編集者をやっています。
僕は経営者というのは現代における「ロックスター」だと思っています。これまで以上に先行きが不透明な世界のなかで、ビジョンを示し、みんなの心を動かしながら、現実に落とし込んでいく。多くの人が下を向くなかでも、希望をあたえ、心を動かし、世界を少しずつ明るくしていく。ちょっとバカみたいな表現ですが「ロックスター」みたいだなと思うわけです。
当然ながら、ロックスターの「言葉」はものすごく大切です。言葉があるから、多くの人がビジョンを理解できます。ただ経営者は、コンテンツの専門家ではありません。言語化はできたとしても、それをわかりやすく、おもしろく届けられる方は多くありません。それに割く時間もなかなかないでしょう。
そこで言語化・コンテンツ化を得意とする編集者が、ある種「プロデューサー」的な立ち位置で、経営者の発信サポートをするといいんじゃないかと考えたわけです。
ビートルズにはジョージ・マーティンという伴走者がいました。マイケルジャクソンにはクインシー・ジョーンズという伴走者がいました。ロックスターの隣には、それをサポートする人間がいた。現代の「ロックスター」である経営者の隣に「顧問編集者」がいても不思議ではないと思うのです。
30年以上経っても、僕のマインドはあまり変わっていません。
「これはすごい!」「おもしろい!」と思ったことを多くの人に伝えたい。役立つことを聞いたら伝えたい。僕がそれが楽しくて仕方がないんです。誤解を恐れず言うと、僕から見れば経営者や会社はコンテンツの宝庫です。
いま、経営者ほどおもしろい存在はいません。経営者ほど時代の鍵を握っている存在はいません。ぜひあなたの話を聞かせてほしいのです。楽しみにしています。